臨床

提供: covid19
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  • NEJM 中国の患者からのウイルス検出についての短報(2020年1月24日付け)
  • Lancet 患者の臨床的特徴についての原著論文(2020年1月24日付け)ICUに入った重症化例と非重症化例の比較:年齢はともに約50歳,海鮮市場に行った割合も有意差なし,持病がある割合にも有意差なし(とも半数以上は持病なし),入院時の白血球とかいくつかのサイトカインは重症化例の方が高値→重症化するのは決して高齢者と持病があるハイリスクな方だけではない,とわかるはず。重症化要因の解明は重要。
  • NEJM 米国での初感染者についての短報(2020年1月31日付け)
  • JAMA Clinical Characteristics of 138 Hospitalized Patients With 2019 Novel Coronavirus–Infected Pneumonia in Wuhan, China(2020年2月7日掲載)武漢でCOVID-19になって,1月1日から1月28日の間に武漢大学中南病院に入院した138人全員の臨床的な特徴を調べた論文だが,うちICUに入ったのは36人だったという。これに代表性があるとしたら,肺炎になったうち重症化する割合は概ね1/4ということか。ICUに入った患者と入らなかった患者で年齢や基礎疾患(高血圧,心疾患,糖尿病,脳血管疾患)の有無で有意差が出ているが,高齢者や基礎疾患がある人はすべての病気が重症化しやすいので,この結果から,高齢者や基礎疾患がある人だけがとくに注意すべき,と強調するのは間違っていて,むしろ,高齢でなく基礎疾患がなくても一定の割合で重症化することがある点に注目すべきであろう。
  • クロロキンが治療に有効とする論文。in vitroではウイルスの細胞への侵入を低濃度でもブロックすることがわかり(ウイルス学者に頑張って貰ってメカニズムも明らかにして欲しいが),いま中国の多施設で大規模治験中,と報告している。クロロキンは安いし,マラリア予防で週1回内服して血中濃度を保つという使い方も長くされてきたし,副作用もほとんどないし。大規模治験の結果が待たれる。
  • Zhang W et al. "Molecular and serological investigation of 2019-nCoV infected patients: implication of multiple shedding routes"(2020年2月17日)。鼻腔スワブで2度陰性でも,腸や血液には残っていて便中排出継続の可能性があるので,血清抗体検査の併用を勧めている。これが正しいなら,大阪の女性や中国の14%という再発例は,腸や血液に残っていたウイルスが再燃したものと考えられる。それなら退院基準を変えれば良いだけなので,免疫がつかずに再感染したという可能性よりはずっと良い。
  • LancetのZhou F et al. "Clinical course and risk factors for mortality of adult inpatients with COVID-19 in Wuhan, China: a retrospective cohort study."(2020年3月11日掲載)は,武漢の2つの病院の退院または死亡患者について,ロジスティック回帰分析の結果,死亡リスクを上げた要因は,年齢(1歳上がるごとに1.1倍)に加えて,入院時のSOFAスコア(リンク先の論文に書かれているように,臓器障害の程度を示す指標で,敗血症の診断に用いられる)が高いこと(オッズ比5.65,95%CI [2.61, 12.23])とd-dimerが1μg/mLを超えること(0.5μg/mL以下をリファレンスグループとしてオッズ比18.42,95%CI [2.64, 128.55])であった,と書かれている(表3)。入院時に重症化しやすい人を見つけるのに使える指標と思う。漸く出てきた。
  • プレプリントサーバに載っているだけだが,Tu Y et al. "Identification of risk factors for the severity of coronavirus disease 2019: a retrospective study of 163 hospitalized patients"は,87人の重症例と76人の中等度症例で入院時の各種検査値を使って多変量のロジスティック回帰分析をした結果,これまで言われていたD-dimer高値に加えて,LDH高値,好中球増加,好酸球減少が重症化リスクに関連していると報告している。この4つの変数を使ってROC分析をした結果のAUCは0.93あり,最適カットオフでの感度は0.88,特異度は0.813だったとし,好酸球と好中球の変化を重症化予測因子として使えるのではないかと提案している。
  • インペリグループ第17報(Perez-Guzman PN et al. "Report 17 - Clinical characteristics and predictors of outcomes of hospitalised patients with COVID-19 in a London NHS Trust: a retrospective cohort study",2020年4月29日掲載)は,後ろ向きコホート研究によって,退院例302,死亡例144,調査打ち切り時点で入院継続中だった74を右側打ち切りとして,死亡リスクを上げる要因を多変量のロジスティック回帰分析で調べたもので,年齢はやはり入院後死亡リスクを有意に上げたが,先行研究で言われてきた基礎疾患を有することやd-dimerやLDHが有意でなかった。好中球や好酸球やSOFAスコアは検討されていない。一方,低酸素症,血小板低値,eGFR低値,ビリルビン高値,アルブミン低値が有意に入院後死亡リスクを上げていたことに加え,年齢・基礎疾患の有無,入院時の重症度を調整すると,黒人が白人よりハイリスクとのこと(全部の変数を入れたモデルではエスニシティは有意でないが)。